「妙見の森ケーブル・リフト」廃止 周辺事業も撤退 能勢電 利用者減少で更新投資できず

能勢電鉄は、兵庫県・大阪府県境の妙見山で1960年(昭和35年)から展開してきた「妙見の森関連事業」について、利用が年々減少し継続が困難なことから、営業を終了すると発表しました。

廃止届が提出された能勢電鉄「妙見の森ケーブル」(梅さとちゃん/写真AC)
廃止届が提出された能勢電鉄「妙見の森ケーブル」(梅さとちゃん/写真AC)

ケーブルの事業廃止を届出 廃止日繰り上げも

営業を終了するのは、鋼索線の「妙見の森ケーブル」(黒川駅〜ケーブル山上駅間)、索道線の「妙見の森リフト」(ふれあい広場〜妙見山)です。また、周辺で展開している「妙見の森バーベキューテラス」「妙見の森山上の足湯」「黒川駅前駐車場」など、その他事業についても営業を終了します。

鉄道事業法に基づいて営業しているケーブルについて、能勢電は国土交通省近畿運輸局宛に廃止届を2023年6月23日(金)付で提出しました。

届出上の廃止予定日は2024年6月24日(月)ですが、それより前に廃止しても「公衆の利便を阻害するおそれがない」と運輸局長が認めた場合、廃止日が繰り上がることがあります。その際は改めて告知するとのことですが、確定したケーブルの営業終了日をもって、リフトとその他事業の営業も終了するとしています。

(廃止される妙見の森ケーブル・妙見の森リフトの仕様、位置図、主な沿革など詳細は下の図表を参照)

【図表で解説】廃止される妙見の森ケーブル・妙見の森リフトの仕様、位置図、主な沿革

遠足でおなじみ 北摂の代表的な観光スポット

妙見山には、山頂にある関西随一の日蓮宗霊場「能勢妙見山」をはじめ、里山の情景を眺めながら歩ける複数のハイキングコースが整備されています。北摂エリアの代表的な日帰り観光スポットであり、アウトドア派だけでなく、遠足や家族でのお出かけ先としても親しまれています。

能勢電の妙見の森事業は、1960年4月のケーブル、8月のリフト開業により開始しました。1973年(昭和48年)には現在のバーベキューテラスの前身である「妙見山クッキングセンター」が開業したほか、広場や足湯の整備、アートイベントの開催など、さまざまな営業施策が実施されてきました。2001年(平成13年)には、観光遊覧用のミニトロッコ列車「シグナス森林鉄道」の運行も開始しています。

しかし、通年にわたる安定した集客にはつながらず、ケーブルとリフトは年末年始を除いて冬季運休とされたほか、2022年3月からは通年で毎週水・木曜日が定休日となっています。2021年11月にはシグナス森林鉄道が廃止されました。利用者が年々減少傾向となっている中、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、事業環境は一層厳しさを増しているとのことです。

さらに今後、大規模な更新投資が必要となる見込みであることから「これ以上、営業を継続していくことは難しい」と、妙見の森事業全般の終了を決断したとのことです。

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